GILLETTE、フレーガ、そしてL’ORÉAL
L’ORÉAL · 02
ある晩のホテル。私は得意先回りと販売から戻ったばかりで、父も同じだった—少しでも一緒に過ごせるように同じホテルを使っていたのだ。4か月に1度、1週間ほどのことだった。
私たちのテーブルに、ジョルジョという感じのいい同業者がやって来た。L’Oréalの営業担当で、大型小売での流通を組織する仕事を引き受けていた—同社は香水店からスーパーマーケットへ移ろうとしていたが、昔からの市場は自分たちの強い場所、つまり製品とCorolleの化粧品にとどまっていた。
クローン病を患い、退院して間もなかった。45歳と若かったが、体力が戻っていないのは見ればわかった。
翌日はどこを回るのかと訊かれた。私の得意先に紹介してもらえないか、そうすれば地図と格闘せずに済むし、仕事も早く進む、と言う—試してみよう、ということになった。
父はひと言も口をきかず、黙ったままだった。つまり賛成ということだ—さもなければ「ナンド、いいか、話がある」と言ったはずで、それは父なりの、お前はいったい何をやっているんだ、だった。
ジョルジョと私は友人になり、2年近く一緒に得意先を回った。もっとも、月に1週間を超えることは一度もなかった。
88年、Gilletteがふたつの製品部門—ひげ剃りとパーソナルケア—を設けると決めたとき、トイレタリーを売るほうが骨の折れる仕事だと、私は前よりはっきり思い知った。そして89年にひげ剃りへ戻ったが、彼には大いに助けられた—L’Oréalからは多くを学んだ。競合する製品を売ったことは一度もなかったけれど。
ジョルジョと付き合った2年のあいだにはいろいろなことがあったが、本当に大事だったこととして覚えているのは、ふたつだけだ。
ある卸の得意先、大学を出たばかりの若者が、私たちを事務所に迎えてこう言った。「お二人をお呼び出ししたのは、おたくの製品が必要だからです」。ジョルジョは立ち上がり、表の看板を確かめに出口へ歩いていった。若者は驚いて、どうしたのかと尋ねた。ジョルジョは笑みを浮かべて戻ってきた。「場所を間違えた気がしましてね—得意先の事務所じゃなく、警察本部に入ってしまったのかと」。これには長い笑いが起き、その後は話が皆に伝わって、私たちを見かけるたびに誰もがにやりとした。
そんなある日、ミラノの誰かから電話があり、L’Oréalの同業者と一緒に回るのはもうやめてほしいと丁重に頼まれた。Gilletteのパーソナルケア部門でシャンプーが売れていない、それはフレーガのせいだ—L’Oréalを売っているからだ、と。あははははは。
ある日、ジョルジョと食品卸を訪ねた。フレーガと呼んでください、Gilletteの者です、と私が言うと、相手は両手を広げて迎えてくれた—私を待っていたのだ。ジョルジョの番になり、L’Oréalの者だと名乗ると、卸の主人は、また今度にしてくれと拝むように頼んだ。油をトラック2台分、荷下ろししたばかりだというのだ。ジョルジョはすかさず返した。「種子油ですか、それともオリーブ油?」。主人は言った。「心配いらん、両方買うよ。また来なさい、注文を出すから—あんたを助けてやろう。フレーガに助けはいらんからな」
彼は若くして死んだ。52歳だった。感謝のしるしに、私は娘に彼の名をつけた—ジョルジャ—彼の思い出が、いつまでも私のそばにあるように。
Ciao、ジョルジョ。
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